2012年8月21日火曜日

8/12なんでや劇場3 農と塾における業態革命~塾においても業態革命の時代を迎えている

◆これが農という業態の大変革であるとすれば、果たしてそれは農だけのことなのか。

例えば、塾業界についても、そっくり同じことが起きているのではないか。

農において産直などの業態が登場してきたように、進研ゼミの赤ペン先生やZ会など、通信教育をメインとした業態がどんどん伸びてきている。
あるいは、中国地方を中心にした鴎州塾が破格の値段で、中国地方全体、九州へという流れの中で、大阪にも進出してきた。今や各塾の脅威となってきている。
さらには、全く別の次元の話で、できない生徒を居残りさせることは、昔から行われていたが、これまでは居残りは格好が悪いこととして非常に嫌がられたものだが、現在では、テストの出来が悪かったので居残りさせますと電話すると、ほとんどの母親は大喜びし、もっとしごいてやってくださいという反応が返ってくる。一方、子供の方も居残りに対してしょぼくれることも無く、当然のごとくやり、楽しそうに課題に向かっている、という状態が生まれている。

一体このような現象が起きているのはなぜか。これを解明するために、まず通信教育や激安塾がぐんぐん伸びてきている理由から考えていく。

進研ゼミは、福武書店が1955年に塾業界に参入した塾。つまり、他業種からの参入である。福武書店という名前からも分かるように教材を売ることが目的であり、今までの塾とは全く発想が違う。教材はせいぜい1000円~2000円であり、それに対して塾は2万円~3万円と比べると極端に安い。もし教材だけで生徒の成績を上げる期待に、ある程度応えられるのだとしたら、通信教育の方が伸びていくのは当然のことである。
実際、60年代~80年代までは、それで大きく伸ばしている。また近年、Z会も含め、通信教育が伸びてきているのは間違いない。鴎州塾が激安でどんどん伸びてきているのも、ここ4、5年の話である。

通信教育や激安塾の伸びの背景には、90年以降のバブル崩壊以降の長期大不況があり、それが低価格商品を伸ばしてきたことは、間違いないが、原因はそれだけではない。
それに加えて、311で、人々は自然の脅威の前では、すべてがひとたまりもなく吹き飛んでしまうことを思い知った。同時に、官僚、学者、マスコミなどの統合階級の無能ぶりが白日の下にさらけ出された。要するに、これまでも潜在していた勉強しても何になるんだという意識に火をつけてしまった。その結果、勉強離れが強く顕在化してきた。

もう一方で、このような全面閉塞、あるいはいつ何が起こるか分からないといった危機状況を背景にして、自給志向と全く同じ地平で、独学の気運が高まってきている。これを塾に引き付ければ、自習志向が高まってきているといえる。

ここのも先ほど農に見られた、農業はつくるだけではどうしようもない、というのに似た業態革命の必然が見られる。即ち、それまで塾の講師は教えてなんぼの世界であり、教えてさえいればそれで良かった。それが大多数の講師の状態であった。ところが、この独学の気運を背景にして起こっている、自習期待というのは、個々の教科を教えてもらうという以前に、とにかく自習する能力、習慣を身に付けさせてほしいという風に力点が動いている。

居残りをさせると母親が喜ぶのも、ここから来ている。子供たちの方も、数人で残されて『遅くまで頑張った!』という共通充足があって、楽しそうにやっている。

塾業界も従来の教えるだけでは、もやはどうしようもなく、例えば勉強法であるとか、勉強法を通じて自習の習慣を何とか身に付けさせて欲しい、というのが今後の中心需要となってくる。このように塾業界も大きく業態革命の時を迎えている。

(8/12なんでや劇場4に続く)
吉田達乃鯉

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